秋季シンポジウム「環境・沙漠・荒漠化:地域性と技術」が2011年10月8日に成蹊大学で開催された。
講演内容は以下の通りである。
菅沼氏(成蹊大学)は、オーストラリアの乾燥地を利用した地球温暖化対策についての紹介であった。もともと植生の乏しい乾燥地を利用して土木施工をして植林し、大気中の炭素を追加的なエネルギーを使わずに固定する手法を紹介した。そこで単位面積当たりの固定効率は低いが、スケールメリットをいかすことにより、大量の炭素を固定可能であるという試算結果を示した。また、その固定された炭素が日本の排出量と比較すると何%にあたり、かなり削減効果が期待できることが紹介された。また、温暖化がCO2由来で無かった場合も、大量のバイオマスをエネルギー利用できるため、乾燥地植林は日本によって有望な事業になることを示唆した。
森尾氏(筑波大学)は、北アフリカ地域の発展に日本がどのように貢献していけるかという検討事例を紹介した。厳しい乾燥地域が広く分布するため、農業生産性を向上させないと国内の食料需要をまかないきれないため、農業への貢献が必要となる。特に塩害農地への対策で貢献できるのではないかという紹介があった。また、EUとの自由貿易圏に北アフリカ地域が組み込まれたことにより、更なる国際競争にこの地域がさらされている。よって人的資源の開発が急務であり、それに日本が貢献できるのではないかという事例(チュニジアでのJICA・JBIC・筑波大)が紹介された。これをモデルケースにして改良を加え、他地域への応用を期待すると述べた。…………….
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